顧問弁護士(法律顧問)がよく問い合わせを受けるテーマをまとめます。今日は、複数契約の解除についてです。形式的に複数の契約がある場合に、一方について債務不履行があることを理由として、当該契約とともに他方の契約を解除することは認められるでしょうか。最高裁は、この点について、以下のとおり判断しました(判決文の引用)。
同一当事者間の債権債務関係がその形式は甲契約及び乙契約といった二個以上の契約から成る場合であっても、それらの目的とするところが相互に密接に関連付けられていて,社会通念上、甲契約又は乙契約のいずれかが履行されるだけでは契約を締結した目的が全体としては達成されないと認められる場合には、甲契約上の債務の不履行を理由に、その債権者が法定解除権の行使として甲契約と併せて乙契約をも解除することができるものと解するのが相当である。 これを本件について見ると、本件不動産は、屋内プールを含むスポーツ施設を利用することを主要な目的としたいわゆるリゾートマンションであり、前記の事実関係の下においては、上告人らは、本件不動産をそのような目的を持つ物件として購入したものであることがうかがわれ、被上告人による屋内プールの完成の遅延という本件会員権契約の要素たる債務の履行遅滞により、本件売買契約を締結した目的を達成することができなくなったものというべきであるから、本件売買契約においてその目的が表示されていたかどうかにかかわらず、右の履行遅滞を理由として民法五四一条により本件売買契約を解除することができるものと解するのが相当である。
会社の方で、以上の点に不明なことがあれば、顧問弁護士にご相談ください。個人の方で、残業代問題や解雇、交通事故の示談など法律問題について相談したいことがあれば、弁護士にご相談ください。なお、当ブログの情報は、対価を得ることなく走り書きしたものであり、ある程度気をつけるようにしていますが不完全な記述や誤植が含まれている可能性があります。また、書いた当時は最新の情報であっても現在では法改正や新判例などで情報として古くなっていることがあります。ですから、実際にご自身で解決することが難しい法律問題に直面した場合には、一般的に得られる知識のみに基づいてご自身で判断してしまうのではなく、必ず顧問弁護士・法律顧問などの専門家に個別にご相談いただくことを強くお勧めします。
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