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サービス残業、残業代請求などの労務問題に注力する顧問弁護士(法律顧問)

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残業代請求

このブログでは、時間外労働についての裁判例を紹介しています(つづき)。

(2) 同年五月二日、組合は、賃金増額五五〇〇円については妥結するとの態度を表明したが、被告会社と組合は、引き続き、賃金体系の改正及び賃金増額配分の交渉を続け、同年六月六日に至り、組合は、「家族手当付加額のストライキカットについては、一審、二審、最高裁の判断を見ても、会社とは別の見解であるので、その点については別の場合でやることとし妥結できない。その他の賃金体系の改正及び賃金増額配分については、会社提案を全て妥結する。家族手当付加額については、時間割賃金の基礎に算入しないのであればカットするな。カットするなら時間割賃金の基礎に入れよ」という見解を表明した。
 これに対し、被告会社は、「賃金体系改正については妥結する。賃金増額配分については、家族手当付加額の支給・控除条件について対立があるので、全体を継続交渉とする。賃金増額五五〇〇円については、賃金増額配分について合意が得られないので支払えない」旨を表明した。組合は、さらに、家族手当付加額を時間割賃金の基礎に算入しないことは認めるが、ストライキカットには反対すると述べた。
(3) 同年六月九日、被告会社は、再度、組合に対し、家族手当付加額のストライキカットについての見解を質したが、組合の態度に変更はないとのことであった。そこで、被告会社は、これ以上の協議の進展は望めないとし、また、対立点がこの一点だけであったので、平成元年六月支払分の賃金より、家族手当付加額を時間割賃金の基礎に算入しない取扱を含む賃金増額配分全体を実施することとし、組合にその旨を申し渡した。
(五) そして、被告会社は、平成元年六月一五日、前記有扶手当の改正を含む賃金増額配分についての就業規則である社員賃金規則及び同細部事項の変更を行い、社員に通知するとともに、同月一六日、被告会社長崎造船所の過半数の労働者で組織する労働組合の意見を聴き、これに同意する旨の意見書を添付して右規則及び細部事項を長崎労働基準監督署長に届け出、同年六月支払分の賃金よりこれを実施した(書証略)。
 なお、被告会社においては、同年四月及び五月支払分についても右と同様のストライキカット条項を含む家族手当付加額を暫定的に設けて支払ったものであるが、これに対しては、組合も異議なく妥結している(書証略)。
二 そこで、以上の事実を基に、本件の争点について検討する。
1 まず、前記認定にかかる本件賃金増額配分を巡る被告会社と組合との交渉経緯によれば、組合は家族手当付加額を時間割賃金の基礎に算入しないことは認めたものの、家族手当付加額のストライキカットの取扱いについてはこれに反対である旨表明し、これに対し、被告会社は、右ストライキカットの取扱いを切り離して、賃金増額分の支給はできない旨を表明していたのであるから、右交渉においては、被告会社と組合との間では、本件家族手当の内容について妥結していない、すなわち合意に至っていないというべきである。
 したがって、右交渉から、原告らに、ストライキカットの取扱いと切り離した意味での家族手当付加額についての賃金請求権は発生していないと解さざるを得ない。

企業の方で、残業代請求についてご不明な点があれば、契約している顧問弁護士にご確認ください。そのほか、個人の方で、不当解雇保険会社との交通事故の示談交渉敷金返還請求・原状回復多重債務(借金)の返済遺言・相続の問題家族の逮捕などの刑事事件などでお困りの方は、弁護士にご相談ください。

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